アケメネス朝ペルシアの高官で、
後に属国カリアの統治者となったマウソロス(在位:紀元前377〜前353年)と
その妻アルテミシアの遺体を安置したのが、ハリカルナッソスのマウソロス霊廟である。
完成は夫婦の死後の紀元前350年。霊廟は3層からなり、小アジア西部、
地中海沿岸にあったカリアの首都ハリカルナッソスの中心にある丘の上に建てられた。
第一層は墓本体となる長方形の石壇を取り巻いて階段と外壁が築かれ、
神や戦士の像が飾られた。
外壁の周囲には、ギリシア神話などを描いた美しい彫刻帯も施されたという。
第一層の上部に第二層として、36本の円柱と彫像が建てられた。
第三層は24段のピラミッド形の屋根。頂上には、巨大な馬車の像がのせられた。
マウソロス霊廟は、ハリカルナッソスの町が外敵の侵入により滅びても、
1600年にわたって残っていた。だが、度重なる地震によって、ついに15世紀初めに崩壊した。
15世紀末、跡地に聖ヨハネ騎士団の要塞が造られることにより、
霊廟の残骸はほとんどすべて外壁に使われてしまった。
しかし、一部の彫刻は後世イギリスに渡り、現在は大英博物館の所蔵となっている。
ハリカルナッソスのマウソロス霊廟
Google Earthの座標〈37°2'18"N,27°26'2"E〉
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