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トロロッソ、STR6発表

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2011年3月20日
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トロロッソ、STR6発表

 トロロッソを語る上で、「カスタマーシャーシー問題」を避けて通れない。

 トロロッソのオーナーはレッドブル社だ。レッドブル社はレッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソという二つのチームを保有しているが、シャーシーは関連会社である「レッドブル・テクノロジー」から供給されているということになっている。

  F1のレギュレーションでは、他チームとシャーシーをシェアする「カスタマーシャーシーの共有」は禁止されている。
 が、レッドブル&トロ・ロッソの場合は、デザインの権利は両社と別会社である「レッドブル・テクノロジー」が保有しているため、カスタマーカーではないと主張している。レギュレーション上、デザイン権利を保有するチームからシャーシーの供給を受けれないとなっているため、ある意味抜け穴を突いた方法と言えるだろう。

 これに抵触してしまった例として、スーパー・アグリの例がある。スーパー・アグリは2005年マシンBAR007ホンダのシャーシーをホンダから拝借して2006年を闘う予定だった。だが、BARの株式をホンダが保有していたため、FIAより禁止の通告を受けた。
 スーパー・アグリはやむなく2002年マシン、アロウズA23をベースにマシンを開発したのは有名な話だ(その後は、ホンダが別会社にシャーシーデザインを移転。スーパー・アグリにもシャーシー供給ができるようになった)。

閑話休題。

 
かくしてレッドブルとシャーシーがシェアできたとはいえ、チーム格差には歴然とした差はある。まず、同じシャーシーを共有したとはいえ、最新パーツは常に本家レッドブル優先。これがトロロッソに周ってくるのは早くて2戦先ぐらいか?
 ドライバーもレッドブルには強い布陣を揃えるが、トロロッソはレッドブルの育成ドライバーが座ることが多い。また、レッドブル育成ドライバーが列をなしていることから、トロロッソで成績不振なら即クビだ。トロロッソにはドライバー選択の自由がないため、ドライバーに関して常に不安定な状況にいる。

 また彼らの持つフェラーリのパワートレインとレッドブルのシャーシーの相性にも疑問はある。なぜなら彼らのデザインはルノーのパワートレインを念頭におかれたものだからだ。
レッドブルという超巨大資本がバックにあるように見えるが、実際は非常に低予算。
 お仕着せのシャーシーに、ドライバーは常に交代する可能性がある。低予算のうえに、開発も本家レッドブルの動向を伺っている。別の側面から見ると、トロロッソは自由度が低く結構辛いチームなのだ。

 そんな状況で見事に仕事をこなしているのは、前身であるミナルディのスタッフが多く残っているからだと思う。資金不足、テール・エンダー、毎年変わるドライバーなどネガティブな要素が多いものの、21シーズン340戦出走の経験は伊達ではないようだ。
 名前こそ変更されたものの、苦しい状況でマシンを走らせる術と情熱、そして低予算での開発力、若手ドライバーのあしらいは、見事にミナルディから受け継いでいると思われる。

マシンは金ではなく人が走らせる。
それを地で行くチームなのかもしれない。

 かくして「カスタマーシャーシー問題」は2010年いっぱいで、権利を別会社に移しても禁止となった。そのため、2011年トロロッソのマシンSTR6は、独自開発で進められている。風洞もCFDもトロロッソ自前で進められた結果、STR6は爆発的速さを秘めたマシンとなった。
 これを今までの「鬱憤晴らし」と解釈してしまうのはボクだけか?

では、STR6とはどのようなマシンなのか?

 
このマシンはレッドブルRB6をベースにしているが、空力的解釈はRB7と袂を分かっている。どちらかというとパワートレインがフェラーリ製のため、2010年度マシン、フェラーリF10を意識した造りになっているのが特徴的だ。

 まずサイドポンツーン両端をぐっと持ち上げ、フェラーリF10のように碇肩に変更。開口部を小さくし上に持ち上げる解釈もフェラーリと良く似ている。またサイドポッド下の切れ込みを、そのまま後方部まで送り込んでいる点も特徴的だ。気流をサイドポッド下に流すことで、フロアをより強く下に押し下げる効果を狙っている。

 ただしフェラーリ150thイタリア(注:150の後ろの○が表現できないため、英語と同意後のTHにて表記しています)と比べると、同じパワートレインを搭載していながら、リアの絞り込みはあまり洗練されていない。中身は昨年版を使用しつつ、空力的解釈を進化させたのがよく分かる。

 フロントノーズは昨年の両端の膨らみを排除し、平たい物へと変更した。ただし開口部やノーズの高さなどほぼ同じで、フロントサスペンションの構造も昨年と同じと思われる。

 さほど見るべきマシンではないが、昨年のブリヂストン・タイヤより、現在のピレリ・タイヤの方が相性は良さそうだ。一発のタイムもロングランの安定度もまずまずといったところ。ただし、一発のタイムとレースペースでのタイムの差が激しいように思われる。予選で前に行くものの「動くシケイン」となる可能性が高い。
 それだけに、このチームに予選で前に行かれたくないところだ。

 また、S.ブエミとJ.アルグエルスアリというタイヤの使い方が上手ではないドライバーを抱えている点も不安要素だ。当面のライバルであるザウバーには小林可夢偉、ウィリアムズにはR.バリチェロといった優秀な開発ドライバーがいるだけに、ドライバーズ・ファクターで負ける可能性はある。

 
当面の目標はQ3突破だろう。ライバルは小林可夢偉+ザウバー、R.バリチェロ+ウィリアムズあたりだろうか?


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