バブル崩壊後、不振の建設業ですが、セメントの環境対策はかなり進んでいたようです。
実は日本のセメント業界は、CO2排出量が世界と比べて圧倒的に少ないんです。
CaCO3→CaO+CO2
上のようにセメントは焼成されるので、CO2の排出は避けられません。
そもそもセメントは、原料:石灰石、粘土、けい石、酸化鉄原料、セッコウ、など。
原料をまぜる→1400度以上で焼成→5cm程の塊になる→砕いて粉にして完成
という工程をたどります。日本は加熱するバーナー、塊を砕く粉砕機、などの機器が素晴らしく、
さらに工程を効率的にするシステムを完全に実用化しているんです。
それだけでなく日本は、「エコセメント」なるものを開発。実用化しています。
エコセメントとは、原料の50%以上を産業廃棄物に置き換えたセメントです。
産業廃棄物とは、具体的に、燃料やゴミを燃やした後に残る石炭灰、鉄の精製の時に出る高炉スラグ、
廃タイヤ、廃プラスチック、などです。これらを混ぜ込みます。
50%以上!信じられない!
これを可能にしたのが廃棄物中の有害物質の塩素、重金属類を取り除く灰水洗システム。
その他さまざまな素晴らしい技術が使われています。(省略)
また、この1400度の炉の中にフロンガスを投入すると安全に破壊できるようです。
ようするに、日本はセメントで世界のトップ!ということです。
今、バイオマスなどのゴミ等を燃やして電気をつくるというものがありますが、
その熱回収率、つまりどれくらいエネルギーをうまく活用できているかという割合が、
約20%程度なのに対してエコセメントは、なんと70%以上!すごい!!!
長くなりましたが、ここでまとめます。
セメントのメリット
1.廃棄物をほとんど出さない
混ぜて固めるだけだから、ぶっとんで言うと
2.無害化処理
1400度以上の高温のため有害物質をほとんど出さない
3.他産業の廃棄物を利用できる
先ほどのエコセメントですね
価格ですが、普通のセメントは、1トンあたり一万円ちょいぐらい。(相場変動)
エコセメントはやや割高傾向。
小売り店までいくと、もっと高いようです。
しかし、原料の石灰石の価格が1トンあたり一万円とどくかとどかないくらい。(相場変動)
マジックです。涙ぐましい努力があったのでしょう。
応援してあげたいですが、「コンクリートから人へ」by鳩山、ですからね、減産です。
セメント業界は近年の減産で二酸化炭素削減目標を自然に?クリア・・・。
参考
http://www.jcassoc.or.jp/index.html 社団法人セメント協会
かなり省略しました。興味のある方は詳しくどうぞ。
コメントはまだありません。