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国内でもすっかり定着した欧州発祥の祭り、ハロウィーン。日本の場合は趣がいくぶん異なり、子供よりも大人がはしゃぐ。今年10月31日も、全国各地の繁華街は仮装姿の男女であふれた。関西では、大阪・ミナミのアメリカ村が一大スポットだ。注目を集めたいのか、寒空の下で局部だけ薄っぺらい布で隠した公然わいせつ容疑すれすれの男性がいた。胸元などを強調した女性は、男性集団の視線を一身に集める。ハイテンションの若者たちで混沌を極めた「ハロウィーン狂騒曲」を振り返る。(矢田幸己)
?攻めていける?仮装の夜
31日午後6時ごろ。その日は風が強く、肌寒く感じられた。ただ、アメリカ村の中心に位置する御津公園(通称・三角公園)は熱気が漂うかのようだ。
「ハッピー、ハロウィーン!」。半裸にはちまき姿の外国人男性が叫ぶと、周囲の何人かが呼応する。すでに異様な盛り上がりっぷりだった。
仮装(コスプレ)も多彩だ。定番のホラー系や囚人に加え、人気アニメやゲームのキャラクターになりきった人の姿が目立つ。
「一緒に写真撮ってください」
公園のあちこちで聞かれるハロウィーン当夜の定番のあいさつといっていい。この日ばかりは皆見ず知らずの人から声を掛けられても悪い気はしないらしい。むしろそれが快感という。仮装の精度の高さを他人から認められたのと同じだからだ。 終わりのセラフ コスプレ衣装
テレビゲームの主人公のコスチュームに身を包んだ男性は、待ってましたとばかりに、二つ返事で写真撮影をねだられた女性グループとともにカメラにおさまった。ポーズを決めてまんざらでもない表情だ。
撮影をお願いしたグループの女子学生(19)=大阪市城東区=も顔に特殊メークを施していた。写真はフェイスブックやインスタグラムなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿する、と話した。
「かっこいい人にどんどん声掛けして思い出をつくりたい」。普段なら躊躇(ちゅうちょ)しがちだが、自らも仮装しているだけに、?攻めていける?のだという。
いかに目立つか
夜も更けて公園周辺に人出がさらに増えた。ハロウィーンとは名ばかりの単なる仮装大会の様相を呈してきた。
「バリ寒いわ」
そう漏らしたギャルメークの女性2人組は体の線やビキニラインがはっきり分かるバニーガール姿。人混みの中でいつ胸元があらわになってもおかしくない。 百夜優一郎 コスプレ衣装
見ている方が寒くなりそうな格好だが、本人たちは言葉とは裏腹にハイテンションだ。男女の別なく写真撮影にも応じる。2人はいつしか輪の中心になっていた。
そんな光景に一眼レフカメラを向ける初老の男性がいた。ハロウィーンを楽しむという感じでもない。実はこうした「カメラ小僧」は多い。レンズ先には、露出度の高いコスチュームを着た若い女性。すきあらば…とシャッターチャンスを狙っているのだ。
確認した限りでは、男性らは撮影の許可を得ているわけではない。確実に盗撮行為だが、異様な盛り上がりの中で気付いているのかいないのか、とがめる人はいない。
露出度では男も負けていない。薄っぺらい布のマイクロビキニを履いただけの筋肉質の若い男性は、公園のまん中でひときわ大きな存在感を放っていた。
一方、公園一帯の道路上は仮装集団で完全に埋め尽くされた。車両もまともに通行できない。さぞ迷惑だろうと思いきや、車もハロウィーンで駆け付けたアメリカ製のスポーツ用多目的車(SUV)や改造車だ。遅々として進まなくてもそれで構わない。
路上でエンジンをふかしたり、大音量で音楽を流したり。窓から手を出し、沿道の若者とハイタッチするドライバーもいる。
「ピピーッ」
工事現場などで見られる赤色棒を手にした交通整理員が車の誘導を始めた−わけではなかった。整理員の仮装をした男性だった。その動作も自然で様になっている。周囲の若者からの喝采(かっさい)を浴びた。
午後10時。盛り上がりのピークといわれる午前1時ごろまで3時間以上もあった。
荒れる若者、悪ノリ集団も
アメリカ村を管轄する大阪府警南署も厳戒態勢を敷いた。約100人規模で警備に当たった。とはいえ、集まった仮装姿の若者たちと比べれば、何十分の一にすぎない。
トラブルは公園から東へ150メートルほどの大阪のメーンストリート・御堂筋で起こった。府警は交通規制をかけ、四つ橋筋方面への車の進入を制限。しかし、規制へのいらだちからか、若い男性が警官へ詰め寄った。
男性「上のもん、呼べや!」
警官「俺が上や!」
興奮する男性を警官がいさめる。男性は納得がいかない様子で引くそぶりは見せなかったが、従うよりなかった。
若者の行動はエスカレートする一方だ。
公園脇のごみ捨て場。奇声とともに辺りに煙が立ちこめた。近くにいた女性(25)によると、何者かが置かれているごみ袋に火を放ったらしい。火はすぐに沈下したようだが、現場は一時騒然とした。
大阪府大阪狭山市から来ていた私立大2年の女性(20)は「こういうことがあると、テンションが下がる。ちょっと怖い」と顔をこわばらせた。
少し離れたところで、二つの男性グループが注目を集めていた。一つのグループは男性用自慰グッズを模したかぶり物をし、もう一つは祭りの法被を身にまとい、「ソーリャ、ソーリャ」と威勢のいいかけ声とともに、練り歩いている。
ハロウィーンとは何ら関係ない悪ノリ集団。しかし、それがまた受けてしまう。日本で根付いたハロウィーンの実態だ。
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