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レッドブルRB6は、「A.ニューイの進化版」

◇評価 16ポイント
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◇登録日
2010年9月23日
cubic-m
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と大見えを切ったが、自分はただの観戦者。素人のメモ代わりという目で観てね(笑)。

まずレッドブルRB6(以下RB6)をデザインしたのはA.ニューイ。
このRB6はニューイデザインの中では異色のマシンで、空力の監修だけではなく、テクニカル的な主要な部分もニューイが監修しているらしい。その点が非常に異色かつ野心的といえる。
この方、元々はエアロダイナミストである。だがこの方はテクニカル・ディレクターの肩書を持ってしまうと(一概にテクニカル・ディレクターといっても、チームによって仕事はバラバラである。だが一般的にこの立場はマシンの総合的な監修を意味している)、とたんにメカニズムに負担をかけ空力優先のマシンが出来上がってしまう傾向にある。
その結果、直線は恐ろしく速いがピーキーでハンドリングに難があり、信頼性に問題があるマシンとなる。
1998年にMP4-13でタイトルを獲得したが基礎設計は前年に出来上がっており、ニューイは手を加えただけだった。また彼が完全監修したMP4-14はタイトルを獲得したが信頼性に難があったため、タイトル獲得に非常に苦労している。 MP4-16やMP4-20などの基礎設計に優れたマシンも産んだが、いずれも信頼性に苦しんでいる。今では考えられないが、当時のメルセデス・エンジンは信頼性に問題があり、一概にニューイの設計を責めることはできない。
だが、MP4-19のように革新的ともいえるマシンを監修したが、信頼性やドライビバリティ、冷却の問題のあるマシンも造ったことは事実だ(MP4-19はドライバーの居住性に問題があったというトンデモマシンだった)。

レッドブル移籍後はそこを踏まえてか、ニューイはチーフ・テクニカル・オフィサーとして就任し、チームはテクニカル・ディレクターにM.スミス(2006年)、G.ウィリス(2007〜2009年)を置いている。
このウィリスとのコラボであるRB5はプルロッド式のサスペンションや低くなったデファレンシャル、リアウィングまで伸びたシャークフィンなど、空力的に攻めつつ、低重心を意識したマシンとなった(その結果タイヤに厳しいマシンとなったわけだが)。
で、ウィリスは2009年7月にレッドブルを離脱。はたしてニューイが著名な技術者と組まずにどんなマシンに仕上げるか?をボクは注目していた。デビューした2010年マシンはRB5のロングホイール版に見え、一見すると見わけがつかないマシンだった。つまり手を加えてきたのはメカニカル部分。これが答えかとボクは思った。

今年のモナコGPのフリー走行で、シケインを駆け抜けるマシンの様子が映し出されていた。
興味深いのはフロントタイヤの動き。BMWザウバーなどはタイヤがブンブンと横に動いていた。フェラーリはそれより少しおとなしめ。だがRB6だけは全く違う動きをしていた。
なんとこのマシンだけがフロントタイヤがほとんど横に動いていないのだ。

この画面から推察されることは
1. マシンの横の動きを消すぐらいの縦への力が働いている。
2. もしくは横の動きを消すぐらいの推進力が働いている。
3. マシン全体が低重心のため、縁石に乗ってもマシンが跳ねない。などが考えられる。
そこで思ったのが、「足回りの良しあし」とか「フレキシブル・ウイング」だとか、目に見える何かではなく、もっと総合的な何かがRB6の速さの秘密だろうという点だ。
こう、マシン全体でもって下向きの力で抑えているような印象をボクは受けた。

RB6はエンジンマウントの位置、補器系の位置、ドライバーのポジション、燃料タンクのレイアウトなどが、巨大化したディフューザーを邪魔することなくできる限りセンター寄りかつ低い位置で精密に配置されていると思われる。
フレキシブル・ウイングやアブゾーバー、ブロウン・デフューザーなどは“おまけ”みたいなものであり、シャーシーを除いたところがRB6の本当の速さの秘密ではないかとボクは思う。
空力の天才と言われたA.ニューイが、マシンの補助的ウイングを禁止した2009年空力規定に沿ってデザインしたマシンがRB5だ。その空力的な部分を継承して、著名なテクニカル・ディレクター不在のまま、メカニカルな部分にまで大きくメス入れたのがRB6だろう。
こう考えていくと、RB6は相変わらず信頼性に問題はあるが、ニューイのマシンの歴史の中で、メカニカルという部分で干渉しつつ野心的であり成功しているマシンといえるだろう(かつて、ニューイのインタビューの中で「みんなは私が技術者と組まないとマシンが造れないと思っているようだ。そうでないことをRB6で証明したい」ということを言っていた記憶がある)。
RB6はニューイが信頼性と速さを折り合えた彼の進化版のマシンといえるかも。
そう考えると、このマシンを理解するのは相当困難かもしれない。

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