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フジテレビ系「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」（月曜後９・００）、ＴＢＳ系「ダメな私に恋してください」（火曜後１０・００）の両極端な恋愛ドラマが今クールで視聴者の評価を得ている。

　昨年４月クールから「デート〜恋とはどんなものかしら DVD〜」「恋仲」「５→９?私に恋したお坊さん〜」と３本すべてが恋愛ドラマで、さまざまな形で話題となったフジの「月９」。かつて恋愛ドラマの一時代を築いたその伝統を新しい形で継承しているが「いつ恋」は視聴者にどのような評価を受けているのだろうか。

　データニュース社（東京）が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」（対象３０００人）に寄せられた声には「内容は悲しくてつらいけど、これを観て頑張ろうと思えた」（２６歳・女性）「切ないけれど、それぞれが頑張って生きている」（３６歳・男性）「切ない若者の日常が描かれていて、若いっていいなと思った」（５２歳・女性）など、恋愛の甘いところだけでない痛みに共感する声が多かった。

　このドラマは１９９０年代のラブストーリーの代表格「東京ラブストーリー」の坂元裕二が脚本を手掛けるオリジナル作品。前クール「５→９〜私に恋したお坊さん〜」にあったキラキラ感は皆無で、最近の坂元作品の特徴である「Ｍｏｔｈｅｒ」（２０１０年日本テレビ）や「それでも、生きてゆく」（２０１１年フジテレビ）など、社会の闇をえぐるテーマが潜む。視聴率は伸び悩んでいるが、見応えのあるドラマだ。

　一転して、明るいラブコメディーの展開で支持されているのが、深田恭子主演の「ダメな私に恋してください」だ。初回視聴率９・０％と低調な滑り出しだったのだが、１６日の第６話で１０・１％と初めて２桁台に乗せた。テレビウォッチャーの満足度も初回３・３（５段階評価）と低かったのだが徐々に上昇し、５回平均３・７４と高満足度の基準３・７を超える高数値となっている。深田の存在が大きく「見ているだけでいい」という意見も多く、加えてストーリーも佳境に入ってきており、今後が楽しみである。

　４月期の月９も福山雅治主演の大人のラブストーリー「ラヴソング」で、他にも大野智主演「世界一難しい恋」（日本テレビ）、中谷美紀主演「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」（ＴＢＳ）といったラブコメディーが控えている。これからもさらに恋愛ドラマが盛り上がりそうだ。