まにあ道モバイル

名作映画道場

俺たちに明日はない(5)

Tippy
2007年9月24日

閲覧数:10129回

60年代から70年代にかけて、
アメリカン・ニューシネマの時代があった。
不安に喘ぐ不況の中、刹那的に生きる者に皆が共感をもった。
この作品はそんなアメリカン・ニューシネマの
先駆け的存在の作品である。

1930年代。
不況のアメリカに伝説的な二人の実在人物がいた。
クライド・バローとボニー・パーカーである。
二人はクライドの兄、兄嫁、C・W・モスの5人で
町から町へと渡り歩き、数々の強盗を繰り返す。

まるでゲームのように、次々と犯罪を犯す5人。
世間は彼らをまるでヒーローかのように騒ぐ中
日に日に増す、警察の追っ手から逃げる日々へと
変わっていく−

ラスト、町からの帰り道、共犯者C・W・モスの父に
止められ、静寂の中、鳥が飛び立つとともに
ボニーとクライドが警官から銃弾を浴び、倒れるシーン
(フェイ・ダナウェイは車から落ちないように、足を
シフトに固定していた)
が圧巻である。

この作品は当初「犯罪を美化する」と批判的な声もあった。
反面、劇中でも描かれているように、大恐慌時代に
土地や職を失って、流浪する人々が映し出され
いわば社会派映画としての評価も高かった。
彼らのように、不況の中から脱したいという
願望の現われだったのかもしれない。


俺たちに明日はない(BONNIE AND CLYDE)
1967年 アメリカ 112分
製作:ウォーレン・ベイティ
監督:アーサー・ペン

ウォーレン・ベイティ フェイ・ダナウェイ ジーン・ハックマン
エステル・パーソンズ マイケル・J・ポラード


第40回アカデミー賞
助演女優賞 エステル・パーソンズ
撮影賞
2部門受賞

この年のアカデミー授与式(1968年4月10日)は
キング牧師暗殺のため、黒人暴動を恐れ、2日間延期をした。

前のネタ 次のネタ

このネタにコメントを書く!
ログイン

この道場にネタを書く!
投稿


コメント(5)
克兄
2007年9月24日

モグモグ
2007年9月25日
BONNIE AND CLYDEは原題ですか?
「俺たちに明日はない」という邦題はステキですね。

お面ライダー1号
2007年9月25日
退屈な日常を過ごしていたボニーがクライドの自由奔放な姿に
影響され、いつしかクライドより過激になっていく様が
非常にインパクトに残っています。
最後の射殺シーンも太く短い人生を表現しているような気がしました。

色々考えさせられる、いい映画です。

あい
2007年9月29日
母親が好きな映画でした。
ヴィンセント・ギャロの【気まぐれな狂気】も久々に見たくなりました。

Tippy
2007年10月7日
>モグモグさん

「BONNIE AND CLYDE」は原題です。
映画は娯楽です。プロ・素人関係なく
楽しんで見られるのが「いい」作品なんですよね。
モグモグさんの心に残る作品があれば、是非教えて下さい。

>お面ライダー1号さん

彼らは決して褒められる人間ではないけれど
後々まで語り継がれる名コンビとして名を残した
ことにおいては、太く短い人生でしたね。

>あいさん

そうですか。
私も古い名作を観る時は、父親とも同じ話題で会話ができ
うれしいです。
「気まぐれな狂気」は見たことがないので
見てみようかなと思います。


ネタリンク
アカデミー賞受賞式にちなみ英で「最もセクシーじゃない女優」1位は?(0)
ファッション

第81回アカデミー賞!すべてのオスカー受賞者決定!(1)
エンターテイメント

タイタニック(2)
エンターテイメント


カテゴリ
スポーツ ミュージック
レジャー・アウトドア ホビー・ゲーム
エンターテイメント アニメ・漫画
グルメ ライフ
ファッション コンピュータ
学問・研究 ノンセクション


ネタを検索する

[*]▼ まにあ道TOP [#]▲

ログイン
まにあ道に新規登録(無料)
まにあ道とは
よくある質問
利用規約
プライバシーポリシー
お問い合わせ

maniado all rights reserved. 携帯アクセス解析