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韓国で増えるバッテリー事故 - 爆発事故のあったLGも対策へ

韓国でPCや携帯電話のバッテリーが爆発する事故が目立ってきている。2008年に入って報道されただけでも、1月と2月にLG電子のノートPC、2月下旬にSamsung電子のノートPCのAcer Aspire R7 用バッテリーが、それぞれ爆発を起こしたり、溶けたりするといった事故が相次いで報じられており、ユーザーに不安を広げている。

次第に増えるバッテリー事故

公益法人 韓国消費者院(以下、消費者院)は、「携帯機起用バッテリー(リチウム2次電池)利用時注意」と題した、バッテリー関連事故に関する調査結果およびバッテリー使用時の心得を公表し、注意を呼びかけている。

これによると同院の「消費者危害監視システム」に通報されたバッテリー関連の事故は、2005年から2008年1月18日までに、計38件に達しているという。その数は2005年9件、2006年12件、2007年15件、そして2008年1月18日まで2件と、少しずつではあるが年々増加傾向にあるようだ。

機器別では携帯電話バッテリー関連の事故が28件に達しており、もっとも多い。次にナビゲーションの4件、音楽プレーヤーが3件、ノートPCは2件、PDAは1件という順だ。

事故形態の分類を見てみると、過充電により電池内部の圧力が増加しケースが膨らむ「膨らみ」が14件と、もっとも多い。このほかASUS Q200 バッテリーから火花や煙が出る「発火」が9件、音が出たり破片が散る「爆発」が6件、バッテリーに過剰な熱が発生する「高温」が6件、バッテリーケースが壊れる「破裂」が3件となっている。このうち「発火」はすべて携帯電話で起こったものだったという。

上記のうち、火傷や火事などの恐れのある「発火」「爆発」「高温」「破裂」を合わせると、全体の半分以上を占める24件に達しており、人や建物にも被害が及ぶと憂慮する。

さらに上記24件の事故が発生した時の状況を見てみると、16件に達していた「機器を利用中」がもっとも多く、続いて「充電中」の8件となった。消費者院が憂慮するような、人への被害可能性が、こうした面でも高いことが分かる。

LG、バッテリーを無料点検・交換

ところで自社の機器でPavilion 15 バッテリー事故が起きてしまったメーカーの方は、対応に忙しい。なかでも2008年に入り、2件ものバッテリー事故が起きたLG電子は「現在原因究明を行っているところ」としながらも、ノートPCのバッテリー点検を行うことを明らかにした。

バッテリー点検の対象となるのは、事故が起きた機種である「XNOTE Zシリーズ」だ。このシリーズは2007年1月から12月まで販売されていたもので、現在は生産が終了している状態だ。LG電子によると市場で実際に販売されたのは「計2万9,000台」だという。

これら購入者に対し同社では、バッテリー点検の案内を送付するほか、点検結果、安全性に問題がある場合は、新しいASUS UX52 充電池に無料で交換してくれることとなっている。

今回起きたバッテリー事故は、韓国では最高のメーカーであるSamsung電子やLG電子の機器で起きているという点においても、韓国の人々に衝撃を与えている。それだけにこれらメーカーはブランド力を傷つけないためにも、原因究明や今後の対策が必至といえる。

ただし過酷な環境で長時間利用すれば、精密機械であるPCや携帯電話にも負担がかかるのは確か。消費者院では「高温多湿の場所で使うのは控える」「ゲーム機を多く利用する子どもユーザーにも気をつける」など、注意を呼びかけている。

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